近況

 昨日した聴覚優位の発達障害者は物の奥行きが把握できない傾向にあるという話、参考までに引用しておく。誰の役に立つかはわからないけれど。

 ドナ・ウィリアムズに世界はどう見えていたか

 それでは、次の文章を読んでいただきたい。これはドナが色つきレンズや偏光フィルターを組み合わせためがねを装着したときに体験した見え方の変化である。

「突然、目を落としていたページの文字が、まるで違って見えた。…(中略)…わたしは、窓の向こうの庭を見た。これまでのように木から木へ、茂みから茂みへ、目を移すのではなく、一気にすべてが目に入ってくる。ひとつの完全な庭として、一枚の絵のように全部が見えるのだ。いや、それはもう「絵」以上のものだった。そこは、ひとつの「場所」だった。…(中略)…これまでわたしは、世界にはさまざまな深さと奥行きがあって、自分が動くことでそれを感じることができると習ってきたが、実際にそうした深さや奥行きの変化を感じたことは、一度もなかった。それが今はただ目をやるだけで、そうと実感できる。…(中略)…わたしはそのまま、イアンを見た。「あ、あ、あなたの、か、顔」わたしはどもった。「全部、くっついてる!」(新潮社『ドナの結婚ー自閉症だったわたしへ』河野万里子訳、二一一二一二ページ)

 ここには重要なことが書かれている。彼女にとって世界は、木は木、茂みは茂みといった具合にばらばらに見えていて、それが一つの場所として認知されていなかったこと。全く同様に、目は目、鼻は鼻とばらばらに認知されて、顔として認知されていなかったことである。つまり広汎性発達障害において、比較的よくあることのようなのだ。

 ギフテッド 天才の育て方 (ヒューマンケアブックス)

  僕もこんな見え方の世界を生きている。初めて偏光フィルター入りのカラーレンズを身に付けた時の世界の見え方の衝撃は、今でも忘れられない。

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